人と自然の共生の智恵をつなぐ

対馬里山繋営塾 TSUSHIMA SATOYAMA KEIEIJUKU


 
   
   
  プロフィール
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  近年まで、環境保全といえば、人間活動を制限し原生的な自然を残す活動のことばかりが注目されていました。人間活動は、自然環境に悪影響を与える存在でしかないのでしょうか?人間と自然は、二極対立構造にあるものなのでしょうか?ミミズが自らの補食行動によって土を肥やすように、ネズミが食料の貯蔵のために種子を分散させるように、人間の営みもまた生態系の一部として自然環境を形成しています。その営みの歴史が、無意識に(野生生物保護を意識せずとも)里山の生きものたちとの共存を作り上げて来たのです。
 東日本大震災以降、自然の力を対立軸に置くのではなく、自然の仕組みや生きもの力を活用しながら人間社会を持続させていく地域づくりのあり方が、注目されてきたように思います。
 自然の仕組みを熟知し、そこから恵みを頂いてきた人々の営み。そしてその営みが作り出す「里山」という環境。日本が世界に誇るその関係性を、しっかりと後世に伝え、残していきたい。長い歴史の中で培われてきた自然とともにある人々の「営み」を、後世へと「繋ぐ
(つなぐ)」という思いを込めて、繋営塾(けいえいじゅく)と名付けました


 対馬にのみ生息する野生のネコ、ツシマヤマネコ。1960年代までは対馬全島に300頭ほど生息していましたが、今では100頭を切るほどにまで数を減らし、絶滅が危惧されています(環境省絶滅危惧IA類)。
 野生生物の絶滅というと、ダムや道路の建設、森林伐採などの要因を連想する人は多いでしょう。確かにこれらも大きな要因ではあります。しかしツシマヤマネコの場合、自然への人の干渉が、むしろ減ったことが、生息環境を劣化させるという結果を招いています。
対馬は面積の9割が山地で、耕作に適した平地はごく僅かです。そのため対馬の人々は、山とわずかな平地を巧みに使って生きてきました。山では木を伐り炭を焼き、野を焼き茅場や畑を作り、わずかな平地では水を巧みに使って稲作を行っていました。ツシマヤマネコは、こうした人の営みが生み出す環境を餌場とする、まさに里山の生き物です。

 今では薪や炭は石油に代わり、牛や馬はトラクターに代わりました。巨大な流通網の発達で、島外から、国外から、安い食料が手に入るようになると、山と小さな谷での効率の悪い対馬の農業はあっという間に廃れました。その結果、ヤマネコの生息環境は劣化しました。皮肉なことに、人の生活がどんどん自然から隔絶されてきたことは、里山の生物の生息環境を奪っただけでなく、人間の職をも奪い、過疎化に拍車をかけたのです。
 この構図は、対馬に特有のものではなく、日本全国の過疎地域に言えることです。安い原料をとにかく外から輸入し、化石燃料をふんだんに使って付加価値を付け、海外市場に輸出する。これまで国内の自然資源を有効に活用することで日本を支えてきた地方の一次生産者は職を奪われ、大規模港のある都市部へと人が流れました。過疎と過密が混在する、極めていびつな人口分布。その結果、都市部に行っても仕事はなく、担い手のいなくなった里では、老夫婦が「せめて自分の代までは」と必死で田畑を維持しています。それが今の日本なのです。
 里山繋営塾が目指す環境保全は、地域の活性化を図ることで、ヤマネコ「も」住める地域づくりを進めることです。人か自然かの二極対立ではなく、人の暮らしの中で意識せずとも生きものが育まれる、そんな地域を作りたいと思っています。





2011年  地域おこし協力隊(対馬市島おこし協働隊)生物多様性保全担当として、川口(旧姓:木村)が対馬に移住 
2012年  「志多留」地区の里山環境に一目惚れし、活動の拠点を志多留に移す 
  志多留の耕作放棄地を住民から借り受け、稲作を始める(このときは4a程度)
  第1回「島おこし実践塾」を志多留で開催 以降、毎年夏に開催している 
  古民家再生活動がスタート(住友林業の協力を得て、環境配慮型の住宅づくりの計画を作成) 
  都市農村の交流活動スタート。田舎暮らし体験ツアー等を志多留で開催。  
2013年  3月 川口らが中心となって、一般社団法人MITを設立。事務所を志多留に構える。
http://mit.or.jp/
  対馬市域学連携事業の拠点として、志多留でインターンの受入開始
  古民家再生塾 開催
  10月 前身である志多留地区活性化協議会 発足
2014年 耕作放棄地を再生した水田で「田んぼのオーナー制度」開始
※インターンとして活動していた京都大学大学院 重原奈津子さんの支援による 
  10月 志多留地区活性協議会婦人部「舌るんるん倶楽部」発足。地域の食材を使ったお弁当の宅配サービスを開始
※インターンとして活動していた京都大学大学院 菅田奈緒美さんの支援による
2015年 国土交通省「人口減少化における長期的な国土管理方策の検討調査試行地域」に選定 
  志多留地区の住民有志らと唐辛子栽培を始める
  志多留・田ノ浜地区が環境省「重要里地里山」に指定される
http://www.env.go.jp/nature/satoyama/42_nagasaki/no42-13.html
2016年  志多留地区活性化協議会から「対馬里山繋営塾」と改称 






対馬里山繋営塾
(つしまさとやまけいえいじゅく)
〒817-1533
長崎県対馬市上県町志多留208
(事務局:一般社団法人MIT 内)

TEL:0920-85-1755
FAX:0920-85-1755


 学生の皆さんの力を借りて再生した古民家を、事務所として使わせてもらっています

 






 川口 幹子(かわぐち もとこ)  旧姓:木村
 1979年、青森県青森市生まれ。北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻博士後期課程修了(環境科学博士)。日本学術振興会特別研究員、東北大学大学院生態適応グローバルCOEフェローを経て、2011年6月に総務省地域おこし協力隊(対馬市では島おこし協働隊)として対馬に着任。限界集落である対馬市上県町の志多留地区に一目惚れし、移り住んだ。三人に二人はお年寄りというこの集落では、もはや「集落孫」的存在。おじいちゃんおばあちゃんたちに、怒られたり褒められたりしながら、かわいがってもらっている。
 2013年3月に協力隊同期らと一般社団法人MITを設立し、協力隊の任期終了後も対馬に残り、学生と地域を繋ぐ仕事や、グリーンツーリズム、環境保全に関する仕事を続けている。農家のたまごとして、稲作や唐辛子、サツマイモ、ソバの栽培にも挑戦中。

 萩野 友聡(はぎの ともあき)
趣味・特技:磯遊び、統計解析
 1979年 千葉県生まれ。東京都青梅市育ち。北海道大学水産学部、卒。同大学院 環境科学院動物生態学コース 博士後期課程中退。北海道で学生生活を十二分に満喫したのち、2014年6月より一般社団法人MITに入社。海洋保護区設定推進事業を担当し、海洋保護区設定に関する計画づくりや、市民、漁民への普及啓発を行っている。対馬の漁業を、見える漁業、将来を見通す漁業にして海洋保護区設置を実現させたい!と意気込む。
 MIT農林水産大臣として、水稲栽培、唐辛子栽培などにも従事。2016年からは、農業部門を強化すべく、本格的に農家としての一歩を踏み出す。
 職人系の仕事が得意で、古民家再生活動では、現場監督としての手腕を発揮!
 

 重原 奈津子(しげはら なつこ)
 1990年 広島県府中町生まれ。京都大学大学院地球環境学舎環境マネジメント専攻博士後期課程1年。
 修士課程の頃、インターンとして志多留の活動に参加。耕作放棄地の再生のため、外部サポーターの力を取り込もうと、「田んぼのオーナー制度」を企画し、実行にこぎつけた立役者。田んぼのオーナー制度の運営では、イベント企画、ニュースレターやブログの執筆、オーナー様との連絡調整、広報活動などを一手に担った。
 この志多留での活動を軸に「対馬市志多留地区にみる条件不利地域の耕作放棄の実態と利用促進に向けた課題」というテーマで修士論文を作成。
 博士課程進学後は、水田の生物多様性保全に関する機能、水源涵養機能、氾濫の調節機能などの観点から、引き続き志多留を舞台に研究を続ける予定。
 






 【Webマガジン】
 【著作】
 【新聞記事】
  • 西日本新聞 2016年1月3日朝刊 「ここで生きる」地域再生座談会 ~地方創生使いこなせ 自立へ「地域磨き」を~
  • 長崎新聞 2015年3月20日朝刊 耕作放棄地の復活を ~米作り参加のオーナー募集~
  • 長崎新聞 2015年3月10日朝刊 「まちづくりの現場から」 ~専門性高い”補助人”
  • 読売新聞 2015年1月22日朝刊 配色サービスで地域活性 対馬・志多留地区の主婦 地元食材で
  • 長崎新聞 2014年10月6日朝刊 限界集落に島外から大学院生 独自配色サービス考案 主婦らと協力 笑顔で地域活性化
  • 西日本新聞 2014年1月24日朝刊 「意見・見解・見識」 里山の再生 ツシマヤマネコも住める地域に
  • 長崎新聞 2014年1月10日朝刊 耕作放棄田のオーナー募集 対馬・志多留地区活性化協議会
  • 毎日新聞 2013年12月22日朝刊 古民家再生 島おこしここから
  • 西日本新聞 2013年8月19日朝刊 「風人もよう」 離島の地域再生を担う
  • 日本農業新聞 2013年7月1日 人と自然の共生 研究から実践へ前進
  • 長崎新聞 2013年5月25日朝刊 環境にやさしい家学ぼう 対馬・志多留 古民家再生塾の参加者募集
  • 西日本新聞 2013年2月5日朝刊 対馬を興す(3) 農村と島外の橋渡し
  • 西日本新聞 元日号 離島に幸あり 小集落で「足るを知る」
  • 日本農業新聞 2012年11月24日 過疎集落に新風 ”よそ者”が懸け橋に

 【雑誌掲載】
  • 孫の力 第13号 2013年9月号増刊 農業~木村幹子さん~ 環境保全型農業の実践。そして集落を”元気”にするのが夢
  • 九州のムラ 第18号 2012年冬号 特集「ムラと生きる」 私の理想郷は対馬にありました~環境保全型農業の実践と、古民家再生&民泊~ 

 
 
 
 
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〒817-1533 長崎県対馬市上県町志多留208
Tel/Fax: 0920-85-1755
Email: m-kawaguchi@mit.or.jp
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ロゴ・イラスト:重原奈津子 構成:川口幹子